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「AIは学びすぎるとバカになる?!」第二回CBA EXM のご報告

第二回CBA EXM

RPAとIPAという広いテーマで取り組んだ第2回CBA EXMでしたが、お申し込みを泣く泣くお断りしなければならないほどに、多くの皆さんにお問い合わせをいただきました。

 

この記事では、主な点をピックアップしてお届けします!

(ご出席もしくは参加申し込みをいただいた皆様には、別途メールでお送りしたご案内より、当日登壇者様が使われた資料をシェアさせていただいております。)

 

他のAIを配下につけるAIエンジン

最初はドイツのケルンに本社を置くITyXのCEOで言語学者でもあるシュレーマン氏のパートから。

ITyXという会社は20年以上前から「AI」に取り組んでいます。当時の話を聞くと、投資家にも相手にもされず「100億あっても成功しない!」と言われたそうですが、今の市場を見ると感慨深いものがあるようです。

さて、このITyXは業務の自動化のためにAIを活用するソリューションを扱っていますが、主に「AI-プラットフォーム」、カスタマーサービスに特化した「ThinkOwl」、CtoBのRPAに活用できる「Fileee」(会計ソフトではございません!)という3つのソリューションを提供しています。

セミナーでは触れられませんでしたが、驚いたのが彼らの自社のAIエンジン。

実は、このITyXのAIエンジンは、他のAIエンジンを配下に複数つけて、配下のAIが出した回答を基により正しいであろう解答を導き出しているとのことでした。

例えば

同じ問題について、BのAIの答えは1+CのAIの答えは2=だとすると正しい答えは3だな。と言った具合に。

なので、配下のAIが増えれば増えるほど、より正しい答えを出す確率が上がっていくというわけです。考えられてますね。

 

AIは「過学習」によって、融通が利かなくなる!?

さて、シュレーマン氏のセッションで一番多く質問の上がった話題がありました。

それは、スタート時にAIに「食わせる」(教育するための)データの多さについて。

シュレーマン氏の言う「マジックナンバー」では、1つの分類について200〜250のデータがちょうど良いと言う話でした。

つまり、顧客からのメールを自動的に担当部署に振り分けたいと言う場合に、その顧客からのEメールがクレームなのか、登録内容を変更したいのか、契約内容を確認したいのか、内容をAIが判断するためにクレームのEメールを200~250、登録内容の変更についてのEメールを200〜250、契約内容の確認についてのEメールを200〜250教育データとして食わせると、精度の良い判断ができるようにAIが「育つ」と言う話でした。

ここでふと感じたのは「データは多ければ多いほどよくない?」と言う疑問で、実際に会場でもいくつか質問が上がっていました。。

これについて補足で調べてみました。この現象については、インターネット上でも「過学習」(over fitting)と言う言葉で語られているようです。

【ニューラルネットワーク】Dropout(ドロップアウト)についてまとめる

上記のサイトによると

「過学習」は、学習データをいわば「丸暗記」し、学習したデータに対しては100%に近い結果を出すものの、応用がきかず未知のデータに対しては途端に精度が落ちてしまう、という状態です。

この「過学習」を防ぎ、「丸暗記」ではなく、「特徴を学習」させるようにし、汎化性能(学習モデルへの当てはまりは必ずしも良くないものの、未知データ(テストデータ)への当てはまりが良い)に優れたモデルにするために、「意図的に学習過程でニューロンをドロップアウトさせる、ということが行われています。」

と言うことでした。

シュレーマンの言っていた「over fitting」と言う状態ですね。

その他、日本語など英語以外の言語を認識できるのか?と言う質問もありました。実際、日本語になった途端にダメダメなAIもあることをみなさんご存知のようで。

それに対して、シュレーマン氏の回答は、ITyXのソリューションは「言語独立モードで学ばせると、トルコ語などかなり複雑なものだが、理解できるようになっている。日本語はまだ試したことがないが、これから日本マーケットにも進出する予定なので、対応できると自信を持っている。」と言うものでした。言語そのものを近いするためのモードがあり、AIがまずその言語を理解したのちに、テキストやEメールの文脈を理解できるようになる、と言うことでした。

 

ドイツのコールセンターの展示会先週ドイツのコールセンターの展示会でこの「言語独立モード」について、その仕組みを尋ねてみましたが、聞いてるこちらが理解しきれませんでした。。。汗

ですが、日本語への対応もしっかり進んでいるようで一安心です。

 

その後、AIスクエアの岩崎氏の「国産AI」の強さを様々な事例を通してお聞きし(資料は後日シェアさせていただきます)、ITyXのドミニク氏による製品デモ、IBSの永倉氏によるユーザー視点のRPA導入の勘所を話してくださいました。

いずれも非常に興味深い内容でした。

と、ここまでで大幅に時間を超過する盛り上がりを見せていましたが、この後アビームコンサルティングの秋山氏をモデレーターにしたパネルディスカッションに、岩崎、永倉両氏もパネラーとして参加してくださいました。

パネルディスカッションでは、AI導入の成果はROIで測ることができるのか?と言った話題もあがっておりました。